相撲界には数々の名力士がいますが、その中でも特に注目を集める師弟関係があります。
それは、元横綱千代の富士と現役力士千代翔馬関の関係です。
千代の富士は厳しい指導で知られる一方、千代翔馬関に対しては「一番褒めた関取」として知られています。
なぜ千代の富士は千代翔馬関をそこまで高く評価したのでしょうか?
また、二人の特別な絆と千代の富士が千代翔馬関に伝えた貴重な教えについても知りたいところです。
そこで今回は、
- 千代翔馬関と千代の富士の特別な師弟関係
- 千代の富士が千代翔馬関を一番褒めた理由
- 千代の富士から受け継いだ相撲の教え
主にこの3つについて迫っていきます。
それでは早速本題に入りましょう!
千代翔馬関と千代の富士の特別な師弟関係

千代翔馬関は、師匠の千代の富士との師弟関係はいつごろから始まったのでしょうか?
調べたところ、千代翔馬関と千代の富士の出会いは、実は偶然の産物だったようです。
千代翔馬関(本名:石橋翔馬、旧名:ガンバータル・ムンクサイハン)はモンゴル・ウランバートル出身です。
千代翔馬関の父親はモンゴル相撲の大関であり、元横綱朝青龍の父親と旧知の仲でした。

この縁がきっかけとなり、当時現役だった朝青龍が九重親方(千代の富士)に千代翔馬関の入門をお願いしたのです。

しかし、相撲協会の規定により、外国人力士の採用は各部屋一人までと定められていました。
九重部屋にはすでに外国人力士がいたため、千代翔馬関はまず高知・明徳義塾高校に相撲留学することになりました。

約1年間の待機期間を経て、2009年(平成21年)名古屋場所で千代翔馬関は初土俵を踏みました。

この時から、千代の富士と千代翔馬関の特別な師弟関係が始まったのです。
千代の富士が千代翔馬関を一番褒めた理由

千代翔馬関は、師匠の千代の富士に一番褒められた弟子と言われていましたが、その理由は何でしょうか?
調べてみたところ、千代の富士は弟子を褒めることがほとんどなかったと言われています。
しかし、千代翔馬関に対しては例外で、「一番褒めた関取」として高く評価したようですが、その理由については以下のとおりです。
1. 稽古への取り組み姿勢
千代翔馬関は、若い衆の頃から「一番稽古するのは千代翔馬だ」と評価されていたそうです。
この真摯な姿勢が、千代の富士の目に留まったみたいです。

2. 研究熱心な態度
千代翔馬関は、毎日、千代の富士の相撲をビデオで見て研究していたようです。
さらに千代翔馬関は、前の晩にビデオで見た相撲を翌日の稽古場で試すなど、常に向上心を持って取り組んでいたそうです。

3. 師匠の教えを忠実に守る姿勢:
千代の富士は、四股、すり足、鉄砲など、基本の徹底を大事にしていました。

千代翔馬関はこの教えを忠実に守り、日々の稽古に励んでいたようです。
これらの姿勢が、千代の富士の心を動かし、特別な評価につながったと考えられます。

千代翔馬関の努力と真摯な態度が、厳しい千代の富士の心を開いたのでしょう。
千代の富士から受け継いだ相撲の教え

千代翔馬関は、師匠の千代の富士からどのような教えを受けてきたのでしょう?
調べてみたところ、千代の富士は、千代翔馬関に相撲に関する多くの貴重な教えを伝えたようです。

これらの教えは、単なる技術的なアドバイスにとどまらず、相撲人生全体に関わる重要な指針となっています。
1. 体格と相撲の関係について
千代の富士は千代翔馬関に、「体をあまり大きくするな。力がついてから体を大きくしないとケガをする。相撲は体だけじゃないよ、頭で相撲を取るんだよ。頭を使えば体が大きくなくても勝てるんだよ」と教えたそうです。
『体をあまり大きくするな。力がついてから体を大きくしないとケガをする。相撲は体だけじゃないよ、頭で相撲を取るんだよ。頭を使えば体が大きくなくても勝てるんだよ』とよく言われていました。
出典:NumberWeb
この教えは、相撲が単なる力比べではなく、戦略的な競技であることを示しています。

2. 努力の大切さ

千代の富士は、千代翔馬関によく言っていた教えがあるそうです。
「頑張れ。頑張ればその後に必ずいいことがある」
「一生懸命やれば必ずいいことが返ってくる」
これらの言葉は、相撲に限らず人生全般に通じる重要な教えなのだそうです。
今もLINEのやりとりは全て保存し、日記も書き続ける。先代の現役時の取組も毎日、見ている。現親方は「師匠には珍しく一番よく褒めた関取。一番稽古するのは千代翔馬だと」と明かした。千代翔馬は言う。「『頑張れ』としか言われなかった。頑張ればいいことがあるんだといつも言われた」。その思いを忘れずに、幕内の土俵に立つ。
出典:日刊スポーツ
3. 基本の重要性
千代の富士は特に四股の重要性を強調し、「1回の四股をおろそかにせず大切に踏むように」と指導したとのこと。
「小さな大横綱」と言われた千代の富士が身をもって経験してきた基本の重要性。
基本を大切にする姿勢が、強い力士を作り上げるということを弟子たちに教えたのですね。

千代翔馬本人にも驕(おご)りはない。技を研究するだけでなく、四股、すり足、鉄砲など、「基本の徹底」を大事にしていた先代・九重親方の教えを忠実に守っている。
「特に重要と言われたのは四股でした。だから今は、1回の四股をおろそかにせず大切に踏むように心がけています」
出典:Sportiva web
4. まわしの掴み方
「まわしをつかんだら絶対に離すな」という千代の富士の教えを、千代翔馬関は「死んでもまわしを離すもんかってね」と心に刻んだそうです。
「師匠から、何回も何回も『まわしをつかんだら絶対に離すな』と言われたんです。今は稽古でもその教えを守って相撲を取っています。死んでもまわしを離すもんかってね」
出典:sportiva web
千代の富士の相撲スタイルも、まわしで体の全面で横にわたっている「前褌(まえみつ)」という部分をよくつかんでいて、千代の富士の勝ちパターンになっていました。
ただ、この教えについては、相撲の技術だけでなく、物事に対する執念の重要性も示しているようです。

5. 目標達成のプロセス
千代の富士の「1ができないと2はできない」という教えは、段階的な目標設定と達成の重要性を説いているとのことです。
千代翔馬は「日本の父」の言葉を思い出していた。「先代親方は『1ができないと2はできない』と言っていた。目標でも何でも、1ができないで、2や3はできないと」。だから目標を聞かれると「勝ち越しです」と答えた。
出典:日刊スポーツ
これは相撲の世界だけでなく、あらゆる分野で成功を目指す人々に通じる普遍的な教えのようです。
さらに、千代の富士は相撲以外の面でも千代翔馬関に多くを教えたそうです。
生活の細やかな指導や人生哲学など、千代翔馬関にとって千代の富士は「日本の父」のような存在だったのですね。

まとめ
今回は、千代翔馬関が師匠の千代の富士に一番褒められていた理由や、二人の関係性と千代の富士の教えについてお伝えしてきました。
千代翔馬関と千代の富士の特別な師弟関係は、相撲界に深い印象を残しています。
千代の富士が千代翔馬関を「一番褒めた関取」としたのは、彼の真摯な姿勢と努力、そして師匠の教えを忠実に守る態度があったからです。
千代の富士から受け継いだ相撲の教えは、技術面だけでなく人生哲学にも及び、千代翔馬関の相撲人生の指針となっています。
2016年(平成28年)に千代の富士が亡くなった後も、千代翔馬関は師匠の教えを胸に相撲を続けています。
現在も九重部屋に所属し、天国の師匠への恩返しを誓いながら、日々稽古に励んでいます。
千代翔馬関の今後の活躍が楽しみですね。
それでは、ありがとうございました。
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